CROとは?役割・CMO/COOとの違い・年収の考え方をわかりやすく解説
CRO(最高収益責任者)の役割となり方を解説します。(公開日: 2026年7月20日 / 執筆: CxO+CAREER編集部)
この記事の要点
- CRO(Chief Revenue Officer)とは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを横断して「収益全体」に責任を持つ経営幹部です
- CMO(マーケティング)や営業責任者との違いは、部門ではなく「収益プロセス全体」を管掌する点にあります
- 日本ではSaaS・サブスクリプション型ビジネスの拡大を背景に、CROを置く企業が増えつつあります
- CROへの道は、営業・マーケティング部門の責任者経験からの登用が中心で、業務委託から参画する方法もあります
CROとは?
CRO(Chief Revenue Officer / 最高収益責任者)とは、企業の収益(レベニュー)に関わる機能を横断的に統括する経営幹部のことです。具体的には、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった「顧客獲得から継続・拡大まで」のプロセス全体を一貫して管掌し、収益成長に責任を持ちます。
従来これらの機能は、CMO(マーケティング)と営業本部長(セールス)が別々に率いることが一般的でした。しかし部門が分かれていると、「リードの質」と「受注率」の責任が分断され、部門間の対立が起きやすくなります。CROは、この分断をなくし収益プロセスを一気通貫で最適化するために生まれたポジションです。
海外の有名IT企業におけるCRO就任事例と実績
米国の有名IT企業では、CROはすでに標準的な経営ポジションとして定着しています。代表的な就任事例と、在任中の実績を挙げます。
Salesforce: 2020年、英通信大手BTの元CEOであるガビン・パターソン氏が社長兼CROに就任。在任中の約3年間で、同社の年間売上は約213億ドル(2021年1月期)から約313億ドル(2023年1月期)へと約1.5倍に拡大しました
Zoom: 2019年、RingCentralで営業組織を率いたライアン・アズス氏がCROに就任。在任約4年で、年間売上は約6.2億ドル(2020年1月期)から約44億ドル(2023年1月期)へと約7倍に成長しました
Stripe: 2020年、AWSの営業責任者を務めたマイク・クレイビル氏がCROに就任し、法人向け(エンタープライズ)市場の開拓を主導しました
Snowflake: 営業1人目として入社したクリス・デグナン氏がCROを務め、売上ゼロから約35億ドル規模への成長と、2020年の大型IPO(当時のソフトウェア企業として史上最大級)を営業面で支えました
OpenAI: 2025年12月、Slackの元CEOデニース・ドレッサー氏(Salesforce出身)が同社初のCROに就任。生成AI企業でも「収益の最高責任者」を置く動きが最前線に広がっています
また、Meta(旧Facebook)でFacebookアプリ部門の責任者を務めたフィジー・シモ氏が、Instacart CEOを経て2025年にOpenAIのアプリケーション部門CEOとして参画するなど、ビッグテック幹部がAI企業の収益・事業部門トップへ移る流れも加速しています。
共通するのは、上場準備やグロース加速といった事業の節目で「収益の最高責任者」を明確に置いている点です。外部招聘・内部昇格の両方のルートがあり、出身も営業・マーケティング・元CEOと多様です。日本でもSaaS企業を中心に、同じ流れが広がり始めています。
CROとCMO・COOは何が違うのか?
責任範囲が「部門」か「収益全体」かが最大の違いです。
| 項目 | CMO | COO | CRO |
|---|---|---|---|
| 主な管掌 | マーケティング・ブランド | 営業組織・受注・オペレーション | 収益プロセス全体 |
| 責任指標 | リード数・認知・CPA等 | 受注/売上額・達成率・仕組み化 | 売上・LTV・成長率 |
| 視点 | 顧客獲得 | 商談〜受注 | 獲得〜継続・拡大の全体 |
| 位置づけ | 機能責任者 | 機能責任者 | 機能を横断する経営幹部 |
CMOやCOOが「機能の最適化」を担うのに対し、CROは機能をまたぐ意思決定(例: マーケ予算と営業人員の配分、料金プランの見直し)を行う点で、より経営に近いポジションです。
なぜ今、日本でCROの需要が増えているのか?
結論として、SaaSをはじめとするサブスクリプション型ビジネスの拡大が最大の要因です。売り切り型と異なり、サブスクリプションでは「契約後の継続・拡大」が収益の大半を決めるため、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを分断したままでは成長が頭打ちになります。
また、スタートアップの成長ステージが進み、「創業者が営業を兼ねる」体制から「収益組織を専門家に任せる」体制への移行が増えていることも背景にあります。資金調達後のスタートアップが、グロースの再現性を作るためにCROを迎えるケースは今後も増えると考えられます。
CROの具体的な役割・ミッション
CROのミッションは「収益成長の再現性を作ること」です。主な役割は次の通りです。
- 収益戦略の設計: 目標設定、セグメント戦略、料金・プラン設計への関与
- ファネル全体の最適化: マーケティング〜受注〜継続・拡大までのKPI設計と改善
- 収益組織の構築: マーケ・セールス・カスタマーサクセスの採用・育成・評価設計
- 経営への説明責任: 取締役会・投資家に対する収益計画とその進捗の説明
CROの年収・報酬はどう考えるべきか?
CROの報酬は、企業のステージ・資金力・コミットの形(正社員か業務委託か)によって大きく異なるため、一律の相場では語れません。考え方の目安は次の通りです。
- 正社員CROの場合: 経営幹部として他のCxOと同水準の設計になることが一般的で、スタートアップでは現金年収+ストックオプション(SO)の組み合わせが中心です
- 業務委託CROの場合: 稼働日数に応じた月額報酬が基本です。具体的なレンジは企業・ステージ・稼働量により異なります
- 収益に直結するポジションのため、インセンティブ(業績連動報酬)を組み合わせる設計も見られます
※個別の相場感は、非公開案件の実例をふまえてキャリア面談でご確認ください。
CROになるには?主なキャリアパス
CROへの登用は、収益に関わる部門の責任者経験からが中心です。代表的なルートは3つあります。
- 営業責任者からの拡張: 営業本部長・VP of Salesがマーケティングやカスタマーサクセスまで管掌を広げてCROへ
- マーケティング責任者からの拡張: CMOがセールス側まで踏み込みCROへ。SaaSでは特に多いルートです
- 事業責任者からの転身: 事業部長・COO経験者が収益特化のポジションとして参画
いずれのルートでも共通して求められるのは、「部門KPIではなく収益全体の数字で語れること」「再現性のある仕組みを作った経験」です。
業務委託からCROに参画するという選択肢
CROは企業側にとっても採用の難易度が高く、ミスマッチのリスクが大きいポジションです。そのため、まず業務委託として週数日から参画し、収益組織の診断や立て直しで成果を示したうえで、正社員CROへ移行する方法が現実的な選択肢になっています。
営業・マーケティングの責任者経験を持つ方であれば、業務委託での参画は「CROというキャリアを試す」入口にもなります。CxO+CAREERでは、業務委託から転職(正社員化)まで段階的に移行できる非公開案件を扱っています。詳しくは「CxOが業務委託で働くには」もご覧ください。
よくある質問
Q. CROとCOOの違いは何ですか?
A. COOは事業運営全般(オペレーション)を管掌するのに対し、CROは収益に関わる機能(マーケ・営業・カスタマーサクセス)に特化します。企業によってはCOOがCROの役割を兼ねる場合もあります。
Q. CROはどんな企業に置かれていますか?
A. SaaS・サブスクリプション型のスタートアップ・成長企業が中心です。複数の収益チャネルを持つ企業や、営業とマーケの連携に課題を抱える企業でも導入が進んでいます。
Q. 営業出身とマーケ出身、どちらがCROに向いていますか?
A. どちらからでも到達できます。重要なのは出身部門ではなく、ファネル全体を数字で設計・改善した経験と、他部門を巻き込むリーダーシップです。
Q. CROの経験がなくてもCROの案件に応募できますか?
A. 「CRO」という肩書の経験は必須ではありません。営業・マーケティング・事業責任者として収益成長を主導した経験があれば、対象となる案件は十分にあります。まずはキャリア面談で経験の棚卸しをおすすめします。
まとめ
CROとは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを横断して収益全体に責任を持つ経営幹部です。サブスクリプション型ビジネスの拡大とともに日本でも需要が増えており、営業・マーケ責任者経験者にとって有力な次のキャリアになりつつあります。
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